現在は「観光物産センター蔵の駅」として運営されている旧石平金物店。この建物は明治大正期に金物商を営んでいた石田家より横手市に寄贈された。
表通りに面した入口側に店舗、そして座敷、居間、水屋と部屋が続いていく。増田では基本的な商家の配置となっている。奥行は約90メートルで、3階の増改築で現在の姿に至っている。釿(ちょうな)削りの跡を見ることが出来る水屋部分が一番古い箇所だ。内蔵は、鞘や外壁の装飾の素朴さから明治20年代の建築だと言われている。店舗から座敷までの前部が一番新しい箇所で、水屋部分より柱間が広くなっており天井が張られている。時代による変化の過程を見ることができる貴重な建物の一つといえるだろう。
昔は冠婚葬祭を家で執り行った。座敷中心にある柱は取り外すことができ、大広間として使えるようになっている。
文/秋田大学 高橋
Information
十文字駅より車(バス)で7分。十文字ICより車で9分。
増田町には明治・大正・昭和初期の商人が築き上げた商家の家並みや内蔵、国の登録文化財に登録されている建造物が数多く残されている。往事に思いをはせ「蔵の町・増田」をガイドと共に歩けます。増田町観光ガイドを希望の際は、増田の町並み案内所「ほたる」内の増田観光ガイドの会(電話0182-23-6331)にて予約可能。(希望日の一週間前までにお問合せ・予約が必要。先着順となり希望に添えない場合もあり。)
増田観光物産センター「蔵の駅」
〒019-0701 横手市増田町増田字中町103
☎0182-45-5311
■営業時間/9:00~17:00