
パンも売ってる、お菓子屋さん
横手駅から数分、レンガ風のかわいらしい看板が目印の建物が目に留まる。そこがフレンドールだ。フレンドールは今年で創業四十三年目になる。本家は創業者の実家である「パン工房かつた」だったが、その後に独立してできたお店だ。「フレンドール」という店名は、創業者と妻が幼なじみであり、当時店名に「〇〇ドール」とつけるのが流行していたことから名付けられた。創業者の勝田春男さんは,横浜に修行に行き、パンや洋菓子中心からお客さんの要望に応えて和菓子も製造するようになったという。
今回取材に応じてくれたのは、優しい笑顔が素敵な二代目の社長である金子尚悦さん。金子さんは秋田県にかほ市象潟町出身で、実家は自営業で給食のパンなどを製造していたという。最初は同じ職業を目指すつもりはなかったが、祖父母の影響が大きく自然と同じ道に進んだという。実は金子さんは最初独立するつもりで、数年後にやめるという条件のもとフレンドールに入社したそうだが、創業者に子どもがいなかったため、金子さんが社長になった。
食べたらやみつき! メロンパン

店内に入ると右手にパン、中央に洋菓子、左手に和菓子が所狭しと置いてある。どれもとても美味しそうで、何を買おうか悩んでしまう。フレンドールでは、季節を伝えるのも役割の一つと思っていて、商品開発や季節に合った商品を提供しているという。そして、数ある商品の中でも特に人気な商品が「メロンパン」である。SNSや口コミなどでおいしいと評判になり,県内からはもちろん県外からもメロンパン目当てで来る人もいるという人気ぶりだ。普通はメロンパンというと外がサクサクなイメージだが、フレンドールのメロンパンは違う。皮は薄く,しっとりとした柔らかい生地の中に生クリームがたっぷりと入っている。生クリームは程よい甘さで、あっさりとしていて生地との相性も抜群だ。なかなかの大きさだが、あっという間に一つ食べ終わってしまう。一度食べたらやみつきになってしまう美味しさだ。
思いを贈り物に・・・・・・
フレンドールでは、用途で一番多いものが自分用であるが、次に多いのがギフト用だという。お盆やお正月、誕生日などに送る人が多いそうで、感謝を伝えたり記念日を祝ったりするためにギフトを贈るという。金子さんは、「あくまで主役は人であり、お菓子やパンは脇役である。ギフトとは、ただ物を贈るだけではなく、送り手の思いが主役である。その思いにフレンドールの商品が添えられて、贈りて手も先さまも、笑顔になったり幸せになるきっかけになってくれたら嬉しい。もちろんシンプルに〝おいしい〟と言ってもらえたときに作り手としての喜びを感じるし、やりがいにもつながっていく。」と笑顔で語った。
また、「フレンドールは創業当初は二人から始まったが、お客さんに喜んでほしくて、お客様の声に応えたくて続けていたらいつの間にか大きな会社になっていた。今までもお客様に支えられてきたし、育てられてきた会社であるから、これからもお客様を大切にしていきたい。」と話してくれた。
この言葉で、フレンドールがいつも賑やかでたくさんの人から愛されているお店である理由が分かった気がした。
(文/秋田大学 武田)



Information

メロンパンと言えばフレンドールと言われるくらいメロンパンが有名。県外からも訪れる人が多いそうで、午前中に売り切れることもある。そのほかにも、洋菓子・和菓子の販売も行っている。
フレンドール
〒013-0033 秋田県横手市旭川1丁目5−39
☎0182-32-8725
■定休日/第3月曜日、臨時休業あり ■営業時間/9:00~18:00
横手駅よりバス・車で4分。横手ICより車で7分。