
豪快な末広がり
流長100メートル落差57.4メートルで、水しぶきをあげながら豪快に流れる末広がりのこの滝は、映画『釣りキチ三平』の撮影地としても有名だ。
一の滝、二の滝、三の滝からなり、川べりから見えるのは最も大きい三の滝である。
滝つぼにかかる吊り橋を渡り、石段を上ると滝見台がある。ここからは一の滝、二の滝を含めた滝の全体を見ることができる。その河床は約10万年前の鳥海山の噴火により流れ出した溶岩からなる。それらが削られて円く開いた甌穴(おうけつ)群はこの滝とともに秋田県の名勝および天然記念物に指定されている。
訪れたのは秋。観光やドローン撮影のために訪れる人々が多い。黄色やオレンジに染まった木々、赤い吊り橋、青く透き通った渓流、滝の水しぶきの白。自然が作り出す色鮮やかな光景を楽しむことができ、ついカメラをかまえてしまう。
紅葉の時期が最も人気だが、春には新緑に囲まれ雪解けにより水量が増し、冬には一面が雪景色になる。季節によって異なる顔を見せてくれる法体の滝は、一度訪れたらまた違う季節にも訪れたくなる。
いつ来ても写真映えすること間違いなしなので、ぜひ瞳と写真に収めてほしい。
文/秋田大学 池田



Information
法体の滝
〒015-0516 秋田県由利本荘市鳥海町百宅
【お問い合わせ先】鳥海総合支所産業課 ☎0184-57-2205
矢島駅から車で40分、鳥海山の東側、由利本荘市の中央を流れる子吉川の源流に位置する「法体の滝」。全国的にも珍しい山頂に面して流れ落ちる滝で、「日本の滝百選」に選ばれている。