
近くで見れる、大自然の迫力
「赤田大滝」の看板を見つけてから山道を走ること数分。駐車場に車を止め、降りると緑の向こうからはザーザーと水の音が聞こえてくる。その音に引き寄せられるように遊歩道を下ると、左手に大きな滝が現れる。川の上を転ばないように慎重にわたっていくと滝の正面にたどり着く。赤田大滝は高さが約23m、岩のくぼみによって滝の上部が二つに分かれて方向を変えているのが特徴である。大きい流れが「男滝」、小さい流れが「女滝」と呼ばれている。力強い水の流れはいつまででも見ていられそうだ。


壮大な緑に360度囲まれた空間には、滝の水が流れる音が響き渡っている。川を流れる水は透き通っていて、水中にある大小の石たちが鮮明に見える。


緑の中で水の音に耳を傾けていると、森に包まれているような感覚になり、心が落ち着いてくる。この滝は、是山和尚が開いたとされる赤田五峰山の麓にあり、修行の場にもなったという。当時の僧侶たちも、私たちが感じた、森と一体化するようなこの不思議な感覚を味わったのだろうか。滝行はもともと精神統一を図り、心を無にする効果があるという。忙しい日常から離れ、心を落ち着かせたいとき、滝を見に訪れてみるのもいいかもしれない。
文/秋田大学 高橋
Information

「赤田の大仏」で知られる長谷寺の開祖が開いた五峰山のひとつ、仏洞山の北麓に位置する滝で、修行の場だったとされています。落差23mの滝をつくる白っぽい岩石は、かつて海底火山の活動で噴出した流紋岩です。
赤田大滝
〒015-0023
秋田県由利本荘市赤田大滝