おみやげ

うまうま、ほくほくコロッケ、福島肉店

み~つけた福島肉店。

男鹿駅から数分、白を基調とした外観と赤い看板が目印の建物が見えてくる。そこが福島肉店だ。
福島肉店は初め東京品川で創業、昭和14年に秋田へ移転した。初代の名前は「福島秋太郎」、結婚した女性の出身が秋田県ということから、まるで秋田に来る運命が決まっていたかのようだ。
当時秋田では牛肉を扱う店が少なかった。主に食されていたのは豚肉・鶏肉・馬肉。食卓に牛肉をという思いで牛肉の販売をはじめたそうだ。
今でも人気商品のコロッケは創業以来のもの。大正時代はハイカラなごちそうという存在であったそうだ。現在お店で販売されているお惣菜のほとんどは3代目「福島基秋」さんが考案したもの。
3代目がお店を継いだ昭和50年前後は地域で小さいスーパーが出来始めた時代であり、肉専門での営業は難しいのではないかという考えから惣菜の販売を始めることに。
デリカテッセン(お持ち帰り用の西洋風惣菜を売る飲食店)としてはじめた当時は、そのビジネススタイルがあまり浸透していなかった。しかし新しい食を発信したいという強い気持ちもあり、はじめた。現在も時代の食文化やニーズに合わせて変更をくり返しながら提供を続けている。
そんな福島肉店は2年後の平成30年に創業100周年を迎える。

四代目、甘い笑顔の福島智哉さん。

取材に対応してくれたのは4代目、甘い笑顔が素敵な福島智哉さん。
2007年、大学を卒業した智哉さんが秋田に戻ってきた当初、福島肉店は地域の中では知られていても地域の外に出れば知名度は低く、観光客が訪れるような雰囲気もなかった。
そこでホームページの作成やイベントへの出店を考えるようになる。イベントは以前、東京など、県外の物産展を選んでいたが、ある時、地元を大事にせずに県外へ出ることの意味はあるのかということに気付き、それからは地元のお客さんを大切にすることに重点を置き始める。
すると不思議なことに、広告をほとんど出していないにも関わらず、売りのコロッケの味が口コミでお客さんへと広まるように。
その取り組みの結果として、昨年の第3回コロッケグランプリ東日本ポテト部門では金賞を受賞した。今もイベントに出る際には、その規模ではなく、人とのつながりや関係性を築くことができるものを選んでいるそうだ。
素材にも強いこだわりがあり、地域とのつながりを大事にしているそうだ。生産者の想いを手渡しし、みんなが地域で循環できる社会が作れたらいいと話す。
素材にこだわるのは、惣菜を売るためではなく、それぞれの家庭の味を大事にしてほしいという気持ちが込められている。地元への思いを聞いてみると、笑顔の食卓が増えるイメージで、一人一人のお客さんに美味しいと喜んでもらうことが一番大事と答えた。

こんにちは、ほくほくコロッケ

店に入って左手側、惣菜が並ぶ冷ケースの上に、きつね色に輝くコロッケが積まれている。会計を済ませてコロッケを受け取り、一口食べて驚いた。普通コロッケと聞いて想像するのはゴロっとしたジャガイモや肉といった具やザクザクとした粗い衣ではないだろうか。しかし福島肉店のコロッケはそ「普通」を覆す。
具のひとつであるジャガイモは普通に茹でたりマッシャーで潰したりするのではなく、肉を挽く機械で一緒に挽いているのでなめらかな舌触りになっている。また、ジャガイモは皮に一番栄養があるそうで、丁寧に泥を落とし、芽取りをした後に皮ごと挽くという手法を昔から継続しているため、今も昔も栄養満点だ。そして肉も全部煮込んだ後に一体となるようにしているため、じゃがいもとお肉が喧嘩しない味に仕上がっている。
そのようにして手間をかけて作られた具が惜しみなく入っているからであろう、コロッケは持ってみると想像以上の重量感を感じる。しかし、持ったときの重量感とは裏腹に味には全く飽きが来ない。空腹時なら余裕で2つはいけるだろう。
味に飽きの来ない秘密は何なのか。福島肉店のコロッケには男鹿の塩が使われているが、これがちょうどよいスパイスとなっているのだろうか。また、小麦粉は仙北産のネバリゴシという、ややしっとり系のものを使用している。
素材を選ぶ際は地元の環境や空気すべてを含む、繋がりが見えるものを使いたいという思いから、農家や農産物という小さな選択を大事にしているそうだ。この素材のこだわりが、飽きない美味しさを生み出しているのかもしれない。
こだわりを感じるのはコロッケの具や素材だけではない。忘れてはならないのが、それらを包んでいる衣だ。普段目にするコロッケとは違い、細かいパン粉で作られた薄い衣が具を包んでいる。なんとこのパン粉、パン屋さんに特注して作ってもらっているそうだ。確かにこの細かさは特注でないと難しいだろう。パン粉を付けるのは代々女性が受け継いでいて、智哉さんの曾祖母、祖母に次いで、現在は智哉さんのお母さんである福島千鶴子さんが衣付けをしている。
この衣を付けるのは相当な熟練の技が必要らしく、お母さん以外が付けると穴が開いてしまうそうだ。福島精肉店のコロッケは、具と衣、両方あって成り立っている。そしてその具や衣を作るためには、福島さん一家全員がいてこそ成り立っているのである。このコロッケこそ、家族の味の代表であると私は感じた。
男鹿を訪れた際は、ぜひこのコロッケを食べていただきたい。「そこでしか」食べれないものがあなたを待っている。
文/秋田大学 小西

インフォーメーション

三代目 福島基秋、福島千鶴子、四代目を目指して修行中の福島智哉。親子で力を合わせて、家庭に笑顔と美味しさを届けています。揚げたてのコロッケは期待を裏切らない美味しさ。福島精肉店でコロッケを買い、男鹿の風景に囲まれながら味わうと更に美味しく感じるでしょう。コロッケは190円と良心的。旅の腹ごなしとして訪れてみてはいかがでしょうか。
臨時休業はFacebook『グルメストアフクシマ (有)福島肉店』にて確認できます。


グルメストアフクシマ 福島精肉店
〒010-0511 秋田県男鹿市船川港船川船川80−1
☎0185-23-2624
■定休日:不定休(日曜、祝日)
■営業時間:9:00~18:00(水土祝は~17時)

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